2024年03月21日

補遺[75ー1] 焼戸山古墳 奈良県天理市 推定150m前後

 「番外 愛知県の古墳」の途中ですが、全長60m以上のランキング古墳でしたので、ここで取り上げました。
 消滅古墳です。10年程前に跡地付近の絵を撮っていました。しかし、墳丘規模などのデータが不明でしたので、放置したまま忘れていた古墳です。
 ところが、最近下記の小田木さんの論文を目にする機会があり、あわてて掲載した次第です。墳丘長150m前後ということであれば、県下最大の断夫山古墳(愛知県名古屋市、ランキング68位)や昼飯大塚古墳(岐阜県大垣市、ランキング71位)と同規模の大型古墳となります。
 小田木治太郎さんは、「天理市焼戸山古墳の検討 ー杣之内古墳群(後群)最大古墳の可能性ー」(『古事  天理大学考古学・民俗学研究室紀要 第24冊』所収)の中で、「焼戸山古墳は、現在は水田地帯の中に不整楕円形の低い高まりを残すのみである。しかもその北端部は、水田からかさ上げして作った東西方向の道路に接しており、輪郭を失っている。また高まりの東・南・西面の大半に擁壁が施されている。全体として主軸が北東―南西を向き、長さ約 126 m、幅約 65mを測る。上面はほぼ平らで、水田からの高さは東で約 1.5m、西で約 3.5mある。現在は民間で利用されており、たくさんの建物が配されている。このような現状から墳丘の原形を求めるのは困難と言わざるをえない。」(p.3)と現状を述べ、「以上、地上に残る(1946年当時に残っていた)痕跡の精査と小墓古墳との比較によって、焼戸山古墳の原形について考察した。墳丘は図示するまでに至らなかったが、小墓古墳ほどに前方部が広がらないであろうことを示し、墳丘長は不確かでありつつも 150m前後という推定値を導いた。」(p.7)と「結語」で述べています。


 跡地付近。東から。


 跡地付近。南から。
        以上2013年9月撮影。  


Posted by じこま at 07:07Comments(0)