2022年04月23日

番外 宮城県の古墳⑬ 氷室B古墳 大崎市 前方後方墳 40または32m

 前回、前方後方墳としては2番目に北限に位置する熊野堂古墳を紹介しましたが、この氷室B古墳が最北の地に築かれた前方後方墳です。
 氷室薬師村上寺を目印にして、そこから幅が車一台分ほどの舗装されていない道を、少しずつ上っていき、墓地や鉄塔を東側に見ながら進むと「氷室前方後方墳」と書かれた標柱があります。そこが目的地です。ただし、藪が激しく墳丘奥まで立ち入ることができませんでした。また、標柱がなければ、この古墳の存在に気づくことができませんでした。
 駐車スペースがないので、南側の畠の空き地に止めさせてもらいました。全景の絵は、その付近から撮ったものです。移動時、道路を走ってくる車に衝突しそうになりました。地元の人は、横から車が出てくると思っていなかったようです。
 奈良女子大学の「前方後円墳データベース(全国版)」の「氷室B古墳」の項目で、「墳丘 形状:前方後方 墳長:40m 後円(ママ)部:径(ママ)23×26m 高4m 特記事項【その他】前方部前端が道路で、後方部南約半分が土取りで削平。」と記されています。
 また、青塚古墳の際にお世話になった、大崎市教育委員会 文化財課の方からいただいた資料では、「1号墳は現況で全長32mの前方後方墳である。前方部の大きさは土取りのため不明であるが、高さは1mである。後方部は一辺24m、高さ4mで、東側にテラス状の平坦面が認められる。前方部と後方部の比高差が3mと、後方部に比べて前方部が平坦で低いという特徴を持つ。(中略)1号墳は古墳時代前期における古墳文化北辺域の前方後方墳の一つである。」(「氷室B古墳群」pp.122~123、『古川市史 第6巻 資料Ⅰ 考古』所収)と述べられています。
 約2km南西に熊野堂古墳が位置しています。

 
 標柱表。2つで裏。
番外 宮城県の古墳⑬ 氷室B古墳 大崎市 前方後方墳 40または32m
番外 宮城県の古墳⑬ 氷室B古墳 大崎市 前方後方墳 40または32m
番外 宮城県の古墳⑬ 氷室B古墳 大崎市 前方後方墳 40または32m


 全景(横から)。中央奥が後方部、左奥が前方部跡。南から。
番外 宮城県の古墳⑬ 氷室B古墳 大崎市 前方後方墳 40または32m


 前方部跡から後方部。西から。
番外 宮城県の古墳⑬ 氷室B古墳 大崎市 前方後方墳 40または32m
        以上2022年3月撮影。



Posted by じこま at 08:08│Comments(2)
この記事へのコメント
知りませんでしたが、少し南の、京銭塚の方がありがたそうな、古墳です。
Posted by コバルト at 2024年03月20日 20:53
 コメントありがとうございます。
 最北の地にある前方後方墳ということで取り上げました。
 世の中的には、京銭塚古墳の方が有名ですね。
 このブログでは、京銭塚古墳は、2018年10月21日に紹介しています。
Posted by じこまじこま at 2024年03月20日 21:54
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