2022年04月11日

補遺[316-6?] 針生古墳→「偽古墳」か? 宮城県村田町 約100m

 奈良女子大学の「前方後円墳データベース(全国版)」や辻秀人さんの「東北南部」(『講座 日本の考古学7 古墳時代上』所収)などに掲載されていない「非認定古墳」です。ただし、『古墳マップ』の「針生古墳」の項目で、「田んぼの中に堂々と横たわっている古墳(前方後円墳)主軸長さが約100mといわれているが、長年畑として使われてきたので詳しいことは不明。」と紹介文にあり、自分の目で確かめたいという思いで訪問しました。
 また、この古墳のある宮城県村田町には、愛宕山古墳(ランキング415位)や千塚山古墳(ランキング493位)・方領権現古墳(ランキング960位)などの大型古墳が築造されており、100m級の大型古墳が存在していてもおかしくないと思っていました。
 「古墳」は、上記紹介文にあるように、田地の中に不自然な形で存在していました。上部が削平されたためか平坦面が広がり、前方部は畠地になっていましたが、明らかに水田面より高さのある地形でした。おまけに、後円部と思われる側面に、葺石のような石が集まっているところがあり、おっさんは感覚的に古墳であると認定しました。「勝手に判断したらいかんだらー」。
 ここまで書いて、新しい資料を見つけました。藤沢敦さんは、「村田町村田字針生所在の針生古墳とされてるものは、自然の残丘と思われるため、ここでは取り上げない。」(「阿武隈川下流域の前方後円墳(その1)」p.19)と述べています。専門家はやはり、「偽古墳」と考えているようです。 
 余談ですが、福島県郡山市にも、同名の円墳「針生古墳」があり、市の史跡に指定されているそうです。  


 後円部中央。右側。左側。→偽りか?

 前方部右側。左側。→偽りか?


 前方部から後円部。前方部右隅から後円部。→偽りか?


 後円部墳頂。→偽りか?

 後円部の葺石か。

 後円部端全景→偽りか?。西から。


 全景(横から)。右が後円部、左が前方部。→偽りか?北から。


 後円部脇の桜。
        以上2022年3月撮影。  


Posted by じこま at 08:08Comments(3)