2024年11月04日

番外 岐阜県の古墳⑮ー2 身隠山御嶽古墳[身隠山古墳群] 可児市 円墳 径36m 

 前回の身隠山白山古墳の約50m北に位置する前期に属する円墳です。
 可児市のHP.の「身隠山古墳」の項目で、「県指定史跡「身隠山古墳」は、4世紀後半に造られた「身隠御嶽古墳」と「身隠白山古墳」の隣接する古墳の総称です。身隠御嶽古墳は元は二段築成の円墳で、下段部は直径36m、上段部は直径19m程度と推定されますが、土が流出して現況をとどめていません。(後略)」と記されています。
 上記のように、「身隠山古墳」を構成する一基として、岐阜県の史跡に指定されています。

 余談ですが、この御嶽古墳からは石釧、白山古墳からは鍬形石・車輪石という腕輪形石製品が出土しています。副葬品だけで被葬者の性別を判断するのは危険ですが、下記の文章を参考にすると、白山古墳は男性、御嶽古墳は女性(副葬品配置は不明ですが・・・)の可能性が想定できます。
 「男性用であったゴボウラ貝製腕輪の系譜をひく鍬形石はやはり男性にのみ副葬される。 車輪石と石釧の祖型である貝輪は主として女性用であったのであるが、車輪石と石釧は男女両方に副葬されることが判明している。(中略)車輪石や石釧を腕に置く副葬品配置は女性が被葬者であると考えられるのだ。」(清家章『埋葬からみた古墳時代』、pp.60~62)  
 さらに、御嶽古墳と白山古墳の被葬者は、いわゆる「魏志倭人伝」に記載された女王卑弥呼と弟と同様の関係にあったと妄想を進めてしまいました。同上書では、「これまでの人骨による分析をまとめると以下のようになろう。 ①古墳時代は前期から後期まで通してキョウダイ原理の埋葬が主流である。 ②一基の古墳だけでなく、隣接する古墳の被葬者も血縁者である(略)。 ③前期から中期までは初葬者に占める男女の割合はほぼ同じで、一対一である。これは双系的な埋葬原理といえる。(後略)」(p.56)と述べています。


 可児市教委の説明板。部分拡大。

 標柱。


 墳頂。

 ほぼ全景。
        以上2013年6月撮影。

  


Posted by じこま at 07:07Comments(0)