2024年11月24日

番外 愛知県の古墳55 八柱社(やはしらしゃ)古墳 豊田市 造出付円墳 全長38m

 この古墳は、「曽根遺跡公園」の南に隣接し、前回の香九礼1号墳の約50m西南西の林の中に立地しています。古墳の墳頂には、門守神社の社殿が建立されており、「門守社古墳」というべきかもしれませんが、八柱神社の境内にあるためか「八柱社古墳」と呼ばれています。
 公園内の説明板では、「直径33m・高さ5.5mの円墳の西側に、幅10m・長さ7.5m・高さ0・6m前後の方形の造出があり」と記され、「造出付円墳」と理解できます。しかし、林の中の市教委の説明板では、「市内唯一の前方後円墳で、上から見ると帆立貝の形をしていることから帆立貝式古墳と呼ばれています。」と記されており、「どっちやねん」と思ってしまいます。
 前にも書きましたが、古墳研究のバイブル的存在の『前方後円墳集成』では、円形部:方形部=1:1/4未満を「造出付円墳」、1:1/2未満~1/4以上を「帆立貝形前方後円墳」と定義していたと思います。この公式に、この八柱社古墳を当てはめてみると、33>7.5×4=30なので、「造出付円墳」と言えるのではないでしょうか。「豊田市教委の前方後円説は勇み足ダラー」。
 また、『愛知県史 資料編3 考古3古墳』でも、森泰通さんは、「墳丘は全長38m(周溝含45m)、高さ5.5mを測る造出付円墳」(「143 八柱社古墳」p.448)と述べています。
 この古墳は、豊田市の史跡に指定されています。


 説明板。

 豊田市教委の説明板。


 円形部中央。右側。左側。

 造出右側。左側。


 全景。手前が造出、奥が円形部。


 2つで全景(横から)。円形部一部。円形部一部から造出。


 全景。北から。

 全景。東から。手前が八柱神社社殿、奥が古墳。
        以上2024年11月撮影。  


Posted by じこま at 07:07Comments(0)