2020年06月09日

番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m

 横穴式石室の石組の美しさは見事という他はありません。下記のように、この古墳の石室の石組構造が基準となって「岩屋山式」と呼ばれているのも納得できます。また、ムネサカ1号墳(ランキング1107位)の石室も同一規格とありますが、1号墳の訪問時懐中電灯を持っておらず、石室内は真っ暗闇で確認できませんでした。「ダメじゃん、もったいないだらー」。                      
 古墳は、国の史跡に指定されています。
 明日香村のHP.の「岩屋山古墳」の項目で、「今回は、岩屋山古墳について紹介したいと思います。  岩屋山古墳は大字越に所在する終末期古墳です。 周辺には牽牛子塚古墳や真弓鑵子塚古墳、マルコ山古墳等、多くの後・終末期古墳が点在しています。 明治時代にはイギリス人のウイリアム・ゴーランドが来村し、岩屋山古墳の石室を調査して「舌を巻くほど見事な仕上げと石を完璧に組み合わせてある点で日本中のどれ一つとして及ばない」と『日本のドルメンと埋葬墳』の中で紹介しています。 昭和53年には史跡環境整備事業に伴う発掘調査が橿原考古学研究所によって実施されています。調査の結果、墳丘は1辺約40m、高さ約12mの2段築成の方墳で墳丘は版築で築かれており、下段テラス面には礫敷が施されていることが明らかとなりました。埋葬施設については石英閃緑岩(通称、飛鳥石)の切石を用いた南に開口する両袖式の横穴式石室です。規模は全長17.78m、玄室長4.86m、幅約1.8m、高さ約3mで羨道長約13m、幅約2m、高さ約2mを測ります。壁面構成については玄室が2石積みで奥壁上下各1石、側石上段各2石、下段各3石で羨道部分は玄門側が1石積みで羨門側が2石積みとなっています。天井石については玄室1石、羨道5石で構成されています。こういった構造をした石室は岩屋山式と呼ばれており、奈良県内では小谷古墳(橿原市)や峯塚古墳(天理市)等でも確認されています。特にムネサカ一号墳(桜井市)の石室は岩屋山古墳と同じ設計図(規格)をもとに築造されたと考えられており両者の関係が注目されています。(中略) 石室内からは土師器・須恵器・瓦器・陶磁器・古銭等が出土しており、築造年代については7世紀前半頃と考えられます。被葬者については斉明天皇や吉備姫王等が候補として挙げられています。」と記されています。
 白石太一郎さんは、「奈良県明日香村越岩屋山古墳は、墳丘の西半分は遺存しないが、わたくしは八角墳の可能性が強く、女帝で重祚した皇極・斉明の墓である可能性が高いと考えている。」(『古墳とヤマト政権』 p.194)と述べています。ただし、越塚御門古墳が発見された現在、牽牛子塚古墳が斉明大王墓の可能性が高いと考えられていることは、すでに5月22日のブログで紹介しました。斉明大王の初葬墓が岩屋山古墳で、改葬墓が牽牛子塚古墳と考えれば話が変わりますが・・・。


 石柱。明日香村の説明板。
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m


 石室入口。石室内部。玄室。
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m


 ほぼ全景。
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
            以上2015年10月撮影。


 石室入口。玄室。
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m


 墳頂。墳頂から見下ろす。
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m

 ほぼ全景。
番外 岩屋山古墳 奈良県明日香村 方墳 辺54→(40)m
              以上2011年5月撮影。



Posted by じこま at 08:08│Comments(1)
この記事へのコメント
妻:おはようございます。
  私どものブログにコメントをいただき、ありがとうございました。
  私だけの『しゃべり』のブログでしたら、
  じこま様のブログのように格調高くなるのですが、
  主人にしゃべらせると、恥ずかしながら『ニタニタ調』になってしまいます。
  ただ、ツボにはまると『ニタニタ調』の中毒になる方もみえるようですので、
  ご用心を。
夫:お母さん、私もご挨拶したいですよぉ。
妻:お父さんはいいの。
  では、またのお立ち寄りを楽しみにいたしております。
夫:また来てね~ぇ。
  待ってるよ~ぉ。
  バイバ~ィ。
妻:失礼いたします。
Posted by サトウ三郎 at 2020年06月10日 05:41
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