2023年12月18日

番外 静岡県の古墳㉑ー2 山の神古墳(内野上2号墳)[内野上古墳群] 浜松市(旧浜北市) 円墳 径16m 

 前回の稲荷山古墳から約150m南の高台に位置する古墳です。階段の入口に旧説明板、階段上部の墳丘付近に説明板が設置されています。
 浜松市教育委員会が2009年に発行した『内野上古墳群 ー稲荷山古墳・山の神古墳発掘調査報告書ー』では、「山の神古墳は直径16m、高さ2mの円墳である。周溝は山側にのみめぐらせ、谷側と南側の裾には平坦面が形成されている。出土遺物や、閉塞石に似た円礫の出土、周溝や平坦面の特徴などから、古墳時代後期中葉(6世紀前葉から中葉)に築造されたと考えられる。埋葬施設は明確でないが、横穴式石室もしくは横穴式木室と推定できる。」(p.14)と記されています。

 余談ですが、「横穴式木室」とは聞きなれない名称で、おっさんは初見でした。鈴木一有さんは、「遠江では、横穴式石室の他にも横穴式木室や横穴式土坑、横穴といった埋葬施設が出現し、横穴式石室と関連を持ちながら推移している。(中略)こうした少数派の墓制(おっさん註 鈴木さんは、上記の墓制に洞穴墓・積石塚を加えて少数派の墓制と呼んでいます)は構築される地域が限定的である点に特徴があり、被葬者の性格差が反映されている可能性が高い。」(「六東海 【東海東部】」pp.346~347、広瀬和雄・和田晴吾編『講座日本の考古学7 古墳時代上』所収)と述べています。


 浜松市教委の旧説明板。

 浜松市教委の説明板。


 墳頂。

 やや全景。南西から。

 ほぼ全景。北西から。

 全景。北から。
        以上2023年10月撮影。  


Posted by じこま at 07:07Comments(0)