2019年06月29日

補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m

 「福島大学 行政政策学類」のHP.の「いわき市塚前古墳古墳の測量調査の大きな成果ー考古学研究室ー」(2017年05月30日)の項目で、「いわき市小名浜林城字塚前の塚前古墳は、2016年秋にいわき市教育委員会が行た(ママ)発掘調査によって6世紀中ごろの築造であることが判明していましたが、この調査が古墳周囲のごく一部分にとどまり、その正確な規模や墳形については、よくわかっていませんでした。 考古学研究室の新たな調査の結果、この古墳は前方後円墳で、全長が95~120メートル、後円部直径53メートル、前方部長54~70メートル、前方部幅45~65メートルと推定されることが分かりました。」と記されています。青木敬さんも、「最近も、福島県いわき市塚前古墳(前方後円墳、推定墳丘長九五~一二〇メートル)で土嚢・土塊積み技術が確認され、六世紀の東北地方最大の前方後円墳にも採用されていたことが判明した(略)。」(『土木技術の古代史』 p.83)と述べています。
 従来、東北地方で100m超級の古墳として、雷神山古墳(ランキング58位)・亀ケ森古墳(ランキング129位)・会津大塚山古墳(ランキング185位)・玉山古墳(ランキング172位)・遠見塚古墳(ランキング216位)の5基が知られていましたが、最近ではこの塚前古墳や山形県南陽市の(仮称)南森古墳(ランキング[62]位)が100m超級であるという指摘がなされています。
 新聞報道で、この古墳の存在を知った時から、いつか現地へという思いが募っていました。ただし、実際に訪問してみると道路で後円部の前方部側は削られ、南側は病院の駐車場の工事中で、いびつな楕円形の後円部が残っているのみでした。それでも完全に削平されて跡形もないケースがあることを考えれば、地権者に感謝しなければならないでしょう。前方部の跡地は住宅地になっていますが、周辺よりわずかに高くなっており、墳形をイメージすることができました。
 古墳は、国道6号線常磐バイパスの「林城」交差点の約200m北東に位置しています。約7km北東に国の史跡に指定されている甲塚古墳があります。

 後円部残存部中央。右側。左側。
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m

 前方部右側跡。左側跡。
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m


 後円部残存部墳頂。墳頂の祠。
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m

 後円部残存部端全景。
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m


 前方部左隅跡から後円部残存部。
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m


 全景(横から)。右が前方部跡、左が後円部残存部。
補遺[166~356] 塚前古墳 福島県いわき市 推定95~120m
            以上2019年6月撮影。



Posted by じこま at 08:08│Comments(0)
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