2023年08月12日
番外 長野県の古墳②ー9 大室168号墳(大平塚)[大室古墳群大室谷支群] 長野市 円墳 径14m
大室古墳群の中でも、典型的な合掌形石室を有する積石塚古墳として著名な古墳です。また、下記の「表1」にあるように、馬形土製品(おっさん註 精巧な馬形埴輪と異なり、園児がこさえたような土製品)の出土から、この古墳の被葬者は馬匹生産と関連する人物と考えられています。
風間栄一さんの「2 大室古墳群の実態」の「表1 大室古墳群調査実施古墳一覧表②」では、「古墳名 168、支群名 大室谷、形態 円墳、規模(m) 14、外表施設 埴輪・土師・須恵・馬形土製品、埋葬施設 合掌形石室、副葬遺物 鉄剣・刀子(以下略)」(土生田純之編『積石塚大全』所収 p.33)と記されています。
古墳は、「大室古墳群」を構成する一基として、国の史跡に指定されています。
余談ですが、松本清張の小説『断碑』の主人公のモデルとなった、森本六爾さんもこの古墳を訪問し、その著作で石室の実測図や写真を掲載しているそうです。また、「大平塚」という名称は、この古墳の発見者の名を採ったものだそうです。(西山克己さんの「1 大室古墳群研究史」、土生田純之編『積石塚大全』所収p.11)。
余談の余談ですが、この機会に、上記『断碑』と「明石原人」発見者の直良信夫さんをモデルとした小説『石の骨』を読み直してみました。いずれも、考古学界のパラダイムシフトに対峙する主人公の姿に暗澹たる気持ちとなる作品でしたが、何故か中島みゆきの『友情』の一節を連想してしまいました。「この世見据えて笑うほど 冷たい悟りもまだ持てず この世望んで走るほど 心の荷物は軽くない 救われない魂は 傷ついた自分のことじゃなく 救われない魂は 傷つけ返そうとしている自分だ」「一番欲しいものは何ンですか 命賭けても守るものは何んですか 時代という名の諦めが 心という名の橋を吞み込んでゆくよ 道の彼方にみかけるものは すべて獲物か泥棒ですか」
表示板。![番外 長野県の古墳②ー9 大室168号墳(大平塚)[大室古墳群大室谷支群] 長野市 円墳 径14m](//img01.dosugoi.net/usr/k/o/f/kofun/CA390237_28.JPG)
石室(合掌形石室)入口。![番外 長野県の古墳②ー9 大室168号墳(大平塚)[大室古墳群大室谷支群] 長野市 円墳 径14m](//img01.dosugoi.net/usr/k/o/f/kofun/CA390240_28.JPG)
ほぼ全景。![番外 長野県の古墳②ー9 大室168号墳(大平塚)[大室古墳群大室谷支群] 長野市 円墳 径14m](//img01.dosugoi.net/usr/k/o/f/kofun/CA390238_30.JPG)
ほぼ全景。
以上2016年4月撮影。
風間栄一さんの「2 大室古墳群の実態」の「表1 大室古墳群調査実施古墳一覧表②」では、「古墳名 168、支群名 大室谷、形態 円墳、規模(m) 14、外表施設 埴輪・土師・須恵・馬形土製品、埋葬施設 合掌形石室、副葬遺物 鉄剣・刀子(以下略)」(土生田純之編『積石塚大全』所収 p.33)と記されています。
古墳は、「大室古墳群」を構成する一基として、国の史跡に指定されています。
余談ですが、松本清張の小説『断碑』の主人公のモデルとなった、森本六爾さんもこの古墳を訪問し、その著作で石室の実測図や写真を掲載しているそうです。また、「大平塚」という名称は、この古墳の発見者の名を採ったものだそうです。(西山克己さんの「1 大室古墳群研究史」、土生田純之編『積石塚大全』所収p.11)。
余談の余談ですが、この機会に、上記『断碑』と「明石原人」発見者の直良信夫さんをモデルとした小説『石の骨』を読み直してみました。いずれも、考古学界のパラダイムシフトに対峙する主人公の姿に暗澹たる気持ちとなる作品でしたが、何故か中島みゆきの『友情』の一節を連想してしまいました。「この世見据えて笑うほど 冷たい悟りもまだ持てず この世望んで走るほど 心の荷物は軽くない 救われない魂は 傷ついた自分のことじゃなく 救われない魂は 傷つけ返そうとしている自分だ」「一番欲しいものは何ンですか 命賭けても守るものは何んですか 時代という名の諦めが 心という名の橋を吞み込んでゆくよ 道の彼方にみかけるものは すべて獲物か泥棒ですか」
表示板。
石室(合掌形石室)入口。
ほぼ全景。
ほぼ全景。
Posted by じこま at 07:07│Comments(0)