2019年09月13日

補遺[1227-15] オシメンド森古墳 愛知県春日井市 60?(60~70)m

 消滅古墳です。大下武さんは、「『オシメンドの森』については、明治21年の地形図『名古屋近傍図』(第三師団参謀部)にも「社」の記号とO印があり、位置は合致する。天保村絵図にも『神明森』とあり、先述の市史記載出土品(「須恵質円筒埴輪・須恵器」)などから、古墳であった可能性は高いと見てよいだろう。勝川地区で最も庄内川に近い位置にあるが、村絵図・明治21年の地形図でも自然堤防の高まりを読みとることができる。地籍図の形からは前方部を西に向けた長さ60~70mの前方後円形が伺える。」(「味美二子山古墳の時代(1) -尾張の段丘・丘陵地帯の古墳分布論ー」p.60 『味美二子山古墳の時代 第一分冊』所収)と述べています。また、奈良女子大学の前方後円墳データベースの「オシメンド森古墳」の項目でも、「墳丘 形状:前方後円 墳長:60? 特記事項【その他】滅失。」と記されています。
 ただし、伊藤秋男さんは、「現在、工場と住宅が立ち並び昔の面影はない。遺物が発見されていても、客土が頻繁に行われた場所のため検討が必要である。地籍図(略)の情報だけからここに古墳を推定することには、大きな危険が伴うように思う。」(『地籍図で探る古墳の姿(尾張編)』 p.78)と否定的な見解を述べています。ここでは、全長60mの前方後円墳としてランキングを示していきます。
 約1km西に味鋺長塚古墳があります。跡地はJR中央本線(中央西線)の東側にありますが、西側の長塚公園には遊具が設置されている高まりがありますが、人工的な「築山」のようです。

 跡地付近(道路の左が前方部?)。東から。
            左端の建物が森山町65。中央の橋脚はJR中央本線(中央西線)。

 跡地付近(前方部端?)。北から。
            森山町69付近。


 跡地に近接している長塚公園。


 長塚公園内の古墳と紛らわしい高まり2つ。
            以上2019年9月撮影。  


Posted by じこま at 08:08Comments(0)