2019年04月14日

追加・補遺 424 穂積稲荷山古墳(総社町12号墳) 群馬県前橋市 推定90m→(円墳 径不明)

 ブログ「木かげの散歩道」の「稲荷山古墳/総社町12号古墳 [古墳]」(2015年12月31日)の項目で、フォトフォトさんは次のように指摘しています。「ネット上で稲荷山古墳、上毛古墳総覧 総社町12号古墳を検索すると、前橋市問屋町丁間稲荷大明神を全てが指しているが、奈良文化財研究所 全国遺跡報告総攬に稲荷山古墳調査報告書が保存されており、内容は丁間稲荷大明神の場所と異なる場所になっています。」と記されています。おっさんも当初丁間稲荷大明神の絵を撮っていましたが、フォトフォトさんのおかげで誤りに気づき、2018年5月7日のブログでは、フェイク画像を拡散しないために「検閲不合格」としました。ただし、ここでは、跡地付近の絵を掲載しているので、比較のためにあえてフェイク画像も掲載します。ご了承ください。余談ですが、前橋市には、「総社町」と「総社町総社」とは場所が異なるので混乱してしまいました。ただ、再訪時、この地から富士山を見ることができ得した気分になりました。
 奈良女子大学の前方後円墳データベースの「穂積稲荷山古墳(総社町12号墳〈綜覧〉)」の項目で、「墳丘 形状:前方後円 墳長:推定90m 特記事項【周濠】楯形。【その他】1987年、宅地造成のため湮滅。」と記されています。一方、群馬県前橋市教育委員会・前橋市埋蔵文化財発掘調査団によって1988年に発行された『稲荷山古墳』では、「まとめ 1.本古墳は前橋台地(榛名山二ッ岳泥流層)に小河川によって形成された舌状台地上に存在する横穴式石室を持つ古墳である。 2.墳丘の盛り土はそのほとんどを後世の他の使用目的により失い奥壁裏部分に残っているのみである。 3.裾部も耕作、総社域の堀及び宅地化により著しく変形して行った。調査の結果葺石を持ち埴輪を伴う後期古墳と思われるが二段築成、周堀の有無・墳丘の規模・形状等不明な点が多い。」(p.25)と述べられています。そして、前橋市教育委員会が2016年に発行した『元総社蒼海遺跡群(81)(82)(83)(84)』の「第1表 周辺遺跡概要一覧表」では、「遺跡名 穂積稲荷山古墳 概要 円墳(6世紀代)」(p.3)と記されています。「どっちやねん」と言いたくなりますが、ここでは前橋市教育委員会に敬意を表して「消滅した規模不明の円墳」と考えておきます。
 約400m南西に前橋(総社)二子山古墳(ランキング432位)、約600m南東に遠見山古墳(ランキング793位)があります。そして、約600m南に終末期の大型方墳の宝塔山古墳や蛇穴山古墳などがあり、総社古墳群を構成しています。古墳時代を通じて巨大前方後円墳が多数築造された群馬県(上毛地域)ですが、最終的に有力古墳はこの総社地域にしか見られなくなります。また、この地には東国最古級の古代寺院の「山王廃寺」が建立されています。

  
 
 跡地付近。西から。


 跡地付近。東から。中央と左の建物の間に富士山が見える。
            中央の建物が総社町総社1750。        以上2019年3月撮影。


 稲荷山古墳と間違えた「丁間稲荷大明神」。

 総社地区史跡愛存会の説明板。


 南から。


 南東から。
            問屋町2丁目3-4付近。             以上2016年11月撮影。  


Posted by じこま at 09:09Comments(0)

2019年04月14日

追加・補遺 [590-4] 富田大塚古墳(荒砥村349号墳) 群馬県前橋市 80m

 奈良女子大学の前方後円墳データベースの「富田大塚古墳(荒砥村349号墳〈綜覧〉)」の項目で、「墳丘 形状:前方後円 墳長:80m 前方部:5m 特記事項【周濠】あり。【その他】墳丘湮滅(時期不明)。」と記されています。
 消滅古墳です。古墳は、県道40号線と76号線が交わる「富田町」交差点の約200m南西にありました。跡地は空き地になっています。余談ですが、訪問時西方を見ると富士山が小さく見えました。この地域には多数の古墳が築造されており、前にも書きましたが場所の選定にあたっては富士山が重要な要素のひとつであったと思われます。富士山が眺望できる「富士山古墳」として、静岡県富士市の浅間古墳(ランキング301位)、神奈川県逗子市の長柄桜山2号墳(ランキング442位)、千葉県木更津市の祇園大塚古墳跡、山梨県甲府市の加牟那塚古墳が印象に残っています。
 約300m南に荒砥村338号墳(ランキング812位)があります。

 跡地付近か。南東から。
            右端の家が富田町1221-5。

 跡地付近か。北東から。
            左端の家が富田町1232-1。

 跡地付近か。東から。
            中央の大木の左に富士山。           以上2019年3月撮影。  


Posted by じこま at 08:08Comments(0)